あさっての方向。 #12

最終回。
途中で切らずにここまで見続けて良かった。素直にそう思えた最終回だった。
"これからも妹でいていいですか?"
"これからも兄でいさせてください"

ここに着陸させるための12話だったんだと思う。
やはりヒロ兄はからだのことが好きだった、実際は恋愛感情ではなかったと思うが、少なくとも血の繋がらない妹と暮らすことをショウ子に説明が出来ない程に自覚的で後ろめたく、からだに対しては兄を演じなければならないという背反を抱えながらも日々の生活に退廃的な幸福を感じる、色々なことを棚上げした逃避の姿だった。
からだは、一方でヒロと血が繋がっていないことを知っており、ヒロが兄として自分の面倒を見てくれることに対して申し訳なさを感じていた。素直に子供として自然に生きられない抑圧された姿。
願い石は、ヒロには、からだも成長して女性になることを突き付けた。血の繋がりもない、見た目年齢的な問題もない、では恋愛対称になるかというとそうではなかった。しかし、では一緒に暮らしていてはおかしいかというとそうではなく、一人立ちして行ける様になるまで面倒を見ることだっておかしくない。それが、走り去る電車の中のからだに向かって"帰って来い"って言う意味だったのかなと。血の繋がり如何に関わらず、いつか成長して自分の下を去っていくからだ、それをはっきりと自覚させることで、ヒロも心の整理がついてやっと向き合うことができたかなと。要約すると、
"うは俺彼女捨てて血の繋がらないロリッ子と家族ごっこしてるなんて何してんだ人生ヽ(´ー`)ノオワタ。ま、楽しいからこれでいいやもう" ⇒ "いつか成長して巣立っていく時まで共に生き、支えあう。血の繋がりなんて関係ない、家族ってそういうもの" ってことでいいかな?
からだに対しては、今すぐ大人になるのは無理だという現実を悟らせた。まだまだ学ぶべき大切なことが沢山あり、成長する過程では大人の助けが必要な場面もあること。そして、子供だったら素直に助けを受けて良いこと。また、人に頼ることに負い目を感じる必要はないということ。人が想ってくれるということを大切にすること。テツが自分を探し回ったことは迷惑ではなく、同じようにヒロが自分の面倒を見てくれることを素直に受け取ればよいこと。
ショウコに対しては、子供になったことで逆に、年齢に関係なくいつでもやり直せること、素直になればいいことを伝えたという形か。もっとも、先週の感想に書いたとおりショウコは心根が一番しっかりしており、失恋のショックで頑なになっていた壁が破れてからは元々心に持っているものが素直に出てきたという形だったと想う。
テツはこんなに重要なキャラだとは予想していなかったが、MVPだった。少年の真っ直ぐな想いが周りを動かしていくというのはやはり王道ダナと。琴美は・・・実は消化不良だ・・・なんだったんだ願い石持ってるし、ショウコとヒロ兄の子供・・・じゃペンションの親父が知ってる訳ないしな、あちこちで接着剤として欠かせない役割を果たしたが最後まで謎だった。
いつにも増してグダグダと書き連ねてしまったが、こんな風な勝手な解釈をして勝手に盛り上がれたので良かった良かったと、まあそゆことです。
良いアニメだった。機会があれば見直したいね、最初から。